介護保険の介護度とは、要介護認定や要支援認定といった指標で判定される介護の必要性の程度のことです。要介護認定は5段階で評価され、要支援認定は2段階で評価されます。要介護認定は継続的に介護を必要とする状態であり、要支援認定は日常生活を送る上で支障を来していて、今の状態を維持または改善するために支援を必要とするという指標です。要介護認定の方が要支援認定よりも手厚い支援を必要とします。また、このどちらにも該当しないことを非該当といいます。
介護度は何のためにある指標かというと、介護保険の利用条件として介護を必要とする高齢者の状況に応じてサービスを決定するためです。在宅の場合には支給限度額、介護施設を利用する人には保険給付額が介護度に応じて設定されています。要介護認定を受けた場合には、介護給付を受けることができます。これにより、介護費用の自己負担額が一割または二割になります。要支援認定を受けた場合には、予防給付を受けることができます。これにより、介護予防サービスの自己負担額が一割になります。
また、非該当の高齢者であっても、総合事業といった介護予防サービスを受けることが可能です。介護度という指標を設けることで、介護が必要な人のみ国や地方自治体から介護に関するサービスを受けることができます。その結果、介護保険の財源が圧迫されることなく、若い世代が将来的に介護を必要とするようになっても安心してサービスを受けられるのです。このような介護度の知識は介護の仕事選びのポイントにもなるので、身につけておいて損はないでしょう。