施設ごとに異なる介護度と仕事内容

介護の仕事内容は、勤務先の施設によって違います。どの施設でも介護職員が高齢者の生活を支えるケアを行うことに変わりありませんが、高齢者の介護度がどのレベルにあるかで、介護の目的や方法が異なるからです。例えば、介護保険が適用される特別養護老人ホームは終身利用ができますが、入居は要介護3以上の利用者に限定されています。そのため、食事、入浴、排泄といった日常生活の全面的なケアが必要な介護度の高い人が多く、介護職員のスキルも多様かつ高いものが求められます。

さらに、施設の規模も比較的大きなものが増えていることから、高齢者を10人以下のグループに分けてケアを行うユニットケアが主流です。介護職員だけがケアをするのではなく、他職種とのチーム体制で協力しながら仕事を進めていく機会も多くなります。一方、民間が経営する有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅は、入居における介護度の制限がない所も多く、比較的介護度の低い高齢者もたくさん入居しています。そこで、助けるためのケアばかりではなく、可能な限り自立した日常生活を営めるよう支援をすることも必要です。

そのほか、一人一人の介護度を見極めて行う臨機応変な対応が求められることから、高齢者自身や家族とのコミュニケーションも重要な仕事です。さらに、介護老人保健施設ではリハビリのサポートをするなど、介護度に配慮しながら在宅復帰を目指すケアを行う場合もあります。このように、施設の種類によって仕事内容に違いがあるため、自分がどのように高齢者と関わりたいのかを考えながら勤務先を選ぶようにしましょう。